私は先日のメールの中で、

「時代の動きが真逆になれば、
それまでの正解が不正解になる」

「今までうまくいっていたやり方、

正しいとされていた価値基準が
間違いになってしまう」


ということをお話ししました。


これは本当に重要なことで、
今後皆さんが人生の選択と行動をする上で
すべての大前提となることなので

“何よりも優先して”
理解しておいて欲しいことです。



この話を始めると1回の文章では
書ききれないのですが、

今回はできるだけ要点1つだけに
絞って伝えたいと思います。



私は長く投資に関わってきて、
「世の中の流れ」というものに対して
非常に敏感になっています。


もともと私自身は、

・物事がどう変化していくのか?
・何をすればどうなるのか?


というように、
物事の次のステップを見るのが
比較的得意な人間だと思います。



“これから先どうなる” というような情報は
様々な立場の人が発信していて
世に溢れているわけですが、

たいていの場合、
発信者の意図・目的があった上で
都合のいい部分だけが使われるものなので
直接的には参考になりません。


また、結局のところ、

目に見える見えないに関わらず、
あらゆる可能性が常にあって
“先のことは誰にもわからない”
というのが真理ですので、

私自身は、間違いなく確実だと言える
本質部分にしか興味がありません。




先ほど「世の中の流れに敏感」
と言いましたが、

それは、流れが変わると
取るべき選択も変わってくるからです。

そして、これは投資以外のこと・・・
人生にそのまま当てはまることです。


簡単に説明すると、
相場でも何でも上昇するのであれば
取るべき選択は「買い」です。


しかし、それが下落に転じると、
買い戦略のままでは
損失やリスクが増えていく一方です。


ですので、下落になれば
まずは「撤退」を考える必要がありますし、
さらにそこで利益を得るのなら
「売り」の選択もあるでしょう。


今のアベノミクスによる相場上昇は
意図的で見せかけにすぎず、
“実態がない” ということは
誰から見ても明らかだと思います。


・・・というより、

私としては世界の金融経済そのものが
問題だらけで、もはやどこにも
実態がないのではと思うくらいです。

これは、いくらでも刷って増やせるという
貨幣自体がバーチャルなものであり、
そのようなものに本来の価値なんて
なくなりつつあるからだと思っています。


今回、私がお話したいことは、
そんな見せかけの部分は別にした
「本質的な流れ」の話になります。

(ですので株価や為替は無視して聞いて下さい)



日本という国は、
これから人口が減っていきます。

実質的な経済成長は困難になり、
国としての力も弱くなって
様々な国際問題も増えてくるでしょう。


誰も望んでいなくても
税金が上がるのは必然でしょうし、
それしか手段がないのです。

そして、そこから逃れるために
富裕層は海外へ・・・



考えれば考えるほど悪循環ですが、
高齢化や人口減という現実から
これは避けられない流れです。

つまり、戦後からアップトレンドが続き、
しばらくデフレで停滞していたかのように
思うかもしれませんが、

それでも問題を先送りにしながらも
維持していただけマシだったということ。


このような流れの中で、
そのまま普通にしていて
今までの生活レベルを続けることは
どう考えても不可能なのです。


つまり、
「アップトレンドからダウントレンドになる」

これが株価や為替に関係なく、
必ず直面することになる現実です。



そして、ここからが大事な話になります。


アップトレンドの時期というのは、
誰もが拡大・成長を目指せばいいのです。

豊かな暮らし、金銭的な成功を
夢見るのもいいでしょう。

それがアップトレンド時に適切な
“買い戦略” になります。


では、ダウントレンドになっているのに
“買い” を続ければどうなるのか?

それが今、すべての日本人が
気づかなければいけないことなのです。


・・・もうおわかりだと思いますが、

多少の利益は求めたとしても
この状況で取るべき戦略は「守り」です。


いつまでも買いポジションを
保持している場合ではなく、
まずは撤退して現実的な生き方を
考えるべきタイミングです。


だから、億万長者やセレブ生活の
ようなものは共感が得られなくなって
時代遅れになってきますし、

逆に、その選択(買い戦略)をしたままでは
ますますリスクが増えていくだけです。


大企業はできるだけリストラや拠点閉鎖で
縮小していかないといけないし、
個人レベルでも、しっかりリスク回避をして
生きていかなければいけない。


ここで夢を追いましょう、
チャレンジしようと言うと
聞こえはいいのかもしれませんが、

ますますそれが困難になる
という現実を無視した
「的外れな楽観発言」になるのです。

(今までの人生をそうやって乗り越えてきた
一部の人たちはそれでいいのかもしれませんが…)



というわけで、
ダウントレンドというのは
避けられない時代の流れです。

国に変わって欲しいとか
会社に何とかして欲しいというのは、
買いポジションのまま下落した時に
相場に上がれと念じるようなものです。


相場の流れを変えることができないように
時代の流れも変えられません。


そんなことよりもすぐに損切りして
撤退するのが鉄則であり、
それこそが取るべき戦略です。

(自分の会社の商品は生活が厳しくても
必要とされるか?技術が進歩しても
残る仕事なのか?を考えてみて下さい)


・・・このように、
投資に当てはめて考えればわかることが
人生にはたくさんあります。


そして、これも
知っておいて欲しいことですが、

世の中の傾向として、
上昇する時には全体の価値観が
1つに絞られてきて
スタンダードな形が出来上がります。



具体的には「お金」や「利益」
というものになりますが、
それは当然、求めれば手に入れる
可能性のある時期だからです。

仮に、そんな時期に
「お金より大切なものがある」
といくら言ったとしても、
あまり浸透しない考え方です。


しかしながら、
それが下落に転じればどうでしょうか?


例えば、今の生活レベルを維持するには
今の2倍働かないといけないとすれば
どうでしょうか・・・



もちろん、それでも頑張る人もいるでしょうが、
中には 「お金を追うのも疲れた」「それならやめる」
という人も出てくると思うのです。


かく言う私自身も、
生活レベルが下がるのは構いませんが、
時間にゆとりがなく家族との時間が
取れなくなるのは苦痛です。


もし皆さんと同じような立場で
この現実にぶち当たったとすれば、

頑張って働くことよりも
お金のかからない田舎暮らしを
選択するかもしれません。


他にも、どうせ何をやっても
生活が変わらないのならせめて
「自分が楽しいと思える仕事」
「少しでも向いている仕事」を考えようとする人など、


少なくとも収入や生活レベルだけが
一番の選択基準ではなくなるでしょう。



・・・というように、

無理してお金を求めるよりも
それ以外の価値基準で
生きようとする人が出てくるのです。

(逆に、それでもお金に固執していると
苦しい現実が続くしかありません)


そして、このような傾向になってくると、

最後の最後に大切にしたい
「自分にとって本当の幸せとは何か?」
と多くの人が考え始め、

1つの価値基準で生きていた時代から
“人それぞれのトレンド” にシフトします。


どうやってお金を得るかではなく、

何が本当の幸せで、
「どうやって生きたいのか?」
ということを考えるのです。



だから私は、今まで一度も
“お金持ちになって裕福に暮らしましょう”
なんて言ったことがありません。

それよりもむしろ、最終的には
“お金以外のものに目を向ける”
というメッセージを伝え続けてきましたし、

“すべて自分で選択する” というように
自主性にフォーカスした言葉ばかり言ってきました。


さらに、先日は
「人から教わることに限界がくる」
ということも言いましたが、

その理由は、
これからは
“独自性” が必要不可欠になり、
人それぞれの正解(あなた自身の答え)
を探す以外に方法がなくなるからです。



だからこそ、誰か(何か)に依存したり
誰か(何か)に影響されている限り、
外部に正解を求めていることになるので
本当の正解にはたどり着きません。


世の中に溢れているメッセージに
振り回されていては大切なものが
何も見えてこないのです。


(特に、何かを否定してバランスを崩すような
極端なメッセージには要注意です。

これをしてはいけない・こうしなさいと
言ってくるような人がいたとすれば、
それは人をコントロールしようとしている
わかりやすいサインです)



その他、

「すべてはまともになっていく」

というキーワードも
繰り返し言い続けてきましたが、

まともになるというのは、
今までの特別な幻想(ファンタジー)が消えて
リアルな本質に回帰していくということです。



つまり、楽してうまくいく抜け道や
嘘やごまかしで利益を得ることは
本質ではないので成り立たなくなる。


会社も個人も同じことで
「本当に価値のあるもの」 しか残らず、
表面的にごまかして続いたようなものは
すべて破綻して残らないのです。

(かなりの会社が消えることになるでしょうし、
それまで有効だった手法が使えなくなると、
労せず利益を得てきた人は収入がなくなります)



・・・さて、

これ以上続けると話が長くなってきますので
そろそろ終わりたいと思います。


今回伝えたいエッセンスはとにかく、

「アップトレンドからダウントレンド」
という時流の概念。

そして、その中で取るべき戦略は何か?
最終的に残る本質的価値は何なのか?

ということは必ず理解しておいて下さい。



注意しなければいけないのは、

これをすればいい・これがうまくいく
と言われるものもすべて、

先ほどの例で言うところの
“間違った買い戦略”
に過ぎない場合が多いことです。


確かに、過去にはそれでうまくいって
それが正解だったのかもしれない。
でも、これからはどうなのか?


基本的に、今までのいわゆる勝ち組が
選択してきた成功ルールの大半は
これから間違いになるものばかり。

うまくいっている会社や個人が
逆転してきている現実からも
実感できるはずです。


すべての成功ルールには“前提”
というものがあり、その前提自体が変われば
すべてのルールは成立しなくなるのです。



だからこそ、

「今までの正解が不正解になる」
「過去にうまくいった方法を選ばない」

というのがシンプルでわかりやすい
選択基準になるでしょう。




今回はここまでにしておきますが、

また今後、これからの時代を
うまく生きていくための考え方なども
伝えることができればと思います。

時間はかかると思いますが、
少しずつやっていきたいと考えています。


ありがとうございました。




<追伸>

アップトレンド・ダウントレンドのうち、
ダウントレンドの中で利益を得るための
“正しい売り戦略” のことを少し補足しておきます。


日本はダウントレンドだとしても、
もちろん海外を見れば
アップトレンドの国はありますので、

自分がその国に行く、もしくは日本に来る
外国人を相手にすることを考える、
というようなことが “売り戦略”の例となります。

普通の人にはなかなかできないと思いますが、
もしできるなら賢い選択になるでしょう。


また、私は海外には興味がありませんが、
日本にいながらでも手軽に
“売り戦略” を取れる手段の1つとして
投資があると思っています。

(※ここでの“売り”は例えですので実際に
売るという意味ではありません。念のため)


私が今まで投資情報を伝えてきたのも、
トレンドが変化しても収入を得られる
有効な手段になるからです。

要するに、アベノミクスによる上昇には
ついていけるだけついていって、
稼げるうちはうまく利用して
稼ぎましょうということです。



投資の知識は、
金融システムが崩壊しない限り
これからも残る(消えない)スキルの1つ
だと言えます。

有名大学に入って資格を取って
大企業に入社するより将来役立つ
スキルになるかもしれません。